板バネは、材質のバネ性を利用して押さえる・挟むなど単純な機能ですが、製作には押える力や耐久性の検証が課題となります。こだま製作所では、金型レス・簡易金型製作で板バネを製作することにより、試作品から対応し開発段階からお手伝いしております。
基本的には、押さえる・挟む板バネが多いですが、導電性を加えてスイッチとして使用されます。こだま製作所では、主に指先サイズ〜手の先サイズくらいをメインに製作しています。
板バネの材質には、大きく分けると炭素鋼、ステンレス、銅の3種類が最も使用されます。3種類の中でよく使用される材料についてご紹介します。
基本的に炭素鋼は形状カット、曲げ加工後に熱処理を行い硬化させます。そのため、加工性、強度、材料費のバランスが取れた材料と言えます。但し、熱処理を行うため熱処理後の変形がどうしても入るため、精度の必要な板バネに関してはあまり使用されません。
また、炭素鋼でも材料の製作の時点で熱処理された焼き入れリボン鋼という材料があります。リボン鋼であれば、低温焼き鈍しをしない場合は精度が出せるようになります。ただ、リボン鋼のデメリットとしては、硬度の高い材料ですので必ず曲げRが必要となります。
磨き特殊帯鋼 焼き鈍し材の標準板厚 | |
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材質 | ばね用冷間圧延鋼帯(SK材)を焼き鈍ししたもの |
板厚mm | 0.30、0.40、0.50、0.6、0.70、0.80、0.90、1.00、1.20、1.40、1.50、1.6、1.75、1.80、1.90、2.00、2.20、2.30、2.50、2.60、2.80、3.00 |
磨き焼き入れリボン鋼の標準板厚 | |
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材質 | ばね用冷間圧延鋼帯(SK材)を焼き入れしたもの |
板厚mm | 0.10、0.13、0.15、0.18、0.20、0.23、0.25、0.28、0.30、0.33、0.35、0.40、0.45、0.50、0.6、0.70、0.80、0.90、1.00、1.20、1.40、1.50、1.6、2.0、2.5、3.0 |
詳しくは、豊富な薄板金属の在庫をご覧ください。
炭素鋼と並んで、よく使用されている材料としてステンレスがあります。ステンレスは炭素鋼と違い、耐食性に優れているため油が使用できない場所や、食品加工機や医療機器など衛生的な理由から使用できな部位に使用されることが多いです。
使用用途によっては、低温焼き鈍しを行い応力取りが必要になるのですが、殆どの場合なしでも使用は出来ます。
SUSバネ材の標準板厚(JIS G 4313) | |
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材質 | SUS301-CSP・SUS304-CSP・SUS420J2-CSP・SUS631-CSP・SUS631J1-CSP |
板厚 mm | 0.10、0.12、0.15、0.20、0.25、0.28、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.6、・0.70、0.80、0.90、1.00、1.20、1.40、1.50 |
板バネ用の銅合金は、主にスイッチなどのバネ性が必要な接点として使用されます。よく使用されるのは、リン青銅で、リン青銅ではバネ性が足りない場合はベリリウム銅が使用されます。
バネ用ベリリウム銅,リン青銅、及び洋白の標準板厚 | |
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材質 | C1720、C1700、C7701,C7521,C5210,C5191 |
板厚 mm | 0.1、 0.15、 0.2、 0.25、 0.3、0.35、 0.4、 0.45、 0.5、 0.6、 0.7、 0.8、1.0、 1.2、 1.4、 1.5、 1.6、 1.8、 2.0 |