豊富な薄板金属の在庫
薄板材はタイムリーな対応に先駆け
板バネ材を始め、多種にわたり豊富に取り揃えております。
※ご要望であれば材料販売もいたします。
弱電、半導体、ガス器具、照明器具、建築部品、車輛(電車)、造船、医薬品、などの産業を地場として製造業の街である大阪の地で材料調達が容易であり、定尺板、ミニマム単位の材料も即日入手可能で、板バネ、シールドケースをはじめとする板金パーツのタイムリーな製作対応を可能としています。
また、全国範囲とする材料ネットワークで、箔(SUSt0.001~)、レアメタル等の入手領域を広げています。
取扱い材料
鉄系 | SPCC(鉄)、ブリキ(スズ鍍金鋼材)、SK(生・焼き入れリボン鋼) |
ステンレス系 | SUS304:BA、1/2H 3/4H・H・EH |
SUS301:1/2H・3/4H・H・EH | |
SUS316、SUS631、SUS430、SUS410 | |
パーマロイ材 | 42アロイ、50アロイ、インコネル、インバー |
銅系 | C1100P(タフピッチ銅) |
C2801(真鍮) | |
C5210P(りん青銅板二種)、C5210(バネ用りん青銅板) | |
C7521(洋白板二種)、C7701(バネ用洋白板) | |
C1700/C1720(バネ用ベリリューム銅) | |
その他 | チタン、チタンバネ、モリブデン |
弊社へのご質問の多い材質、またはご依頼いただく製品の
主流材質の性質を記載していますので参考にしてください。
1)バネ(ばね)用ステンレス鋼帯(SUS-CSP)
ステンレス系の薄板・板金パーツや、ステンレス系板バネにはSUS304-CSPが最もよく利用されていますが、板バネにはバネ特性の低い順に1/2H,3/4H,Hと一般的には、3段階で、用途に応じて使用されています。
シムに使用する材料としてもSUS304-CSPが一般的で、2B材に対し材料費はある程度高くなりますが、板厚精度が高いことから、ご指定の無い場合弊社ではCSP材を使用しています。
また、SUS304 CSPよりさらに高いバネ特を要する板バネには、SUS301 CSPを使用しています。
SUS301もSUS304と同じくバネ特性は一般的に3段階で用途に応じて利用されています。
- 1. SUS304-CSP
- ステンレスのバネ材の中でも最もよく使用される材質です。構造用の材料としては、2Bがよく使われていますが、より冷間圧延されたCSPは硬度が高く、板厚精度も高い材料です。
- 2. SUS301-CSP
- SUS304よりも硬度の高い材料で、ほとんどが板バネ用として使用されます。
- 3. SUS316(L)-CSP
- SUS304よりもさらに耐食性に優れた材料です。海水などの腐食しやすい悪環境や食品製造機器などに使われています。
- 4. SUS430 CSP
- 磁性のあるステンレスで、シンクなどに使用されている材料ですが、SUS304よりも耐食性に劣ります。t0.2以上は基本的に2Bですが、t0.1以下はCSP材になります。
詳しくはこちらから
▼表1、SUSバネ材標準板厚表(メーカーの自主基準であり、流通で一般入手できない板厚もあります)
SUSバネ材の標準板厚(JIS G 4313) | |
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材質 | SUS301-CSP・SUS304-CSP・SUS430-CSP・SUS631-CSP・SUS316(L)-CSP |
板厚 mm | 0.005、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.60、0.70、0.80、0.90、1.00、1.20、1.50 |
*材質によっては、無い板厚もあります。
▼表2、JIS G 4313 バネ用ステンレス鋼帯の板厚寸法公差表
SUSバネ材板厚公差(JIS G 4313の厚さの許容差)単位mm | |
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SUS301-CSP・SUS304-CSP・SUS420J2-CSP・SUS631-CSP・SUS631J1-CSP | |
板厚 mm | 材料幅(250以上600未満) |
0.10以上 0.16未満 | ±0.020 |
0.16以上 0.25未満 | ±0.030 |
0.25以上 0.40未満 | ±0.035 |
0.40以上 0.60未満 | ±0.040 |
0.60以上 0.80未満 | ±0.045 |
0.80以上 1.00未満 | ±0.050 |
1.00以上 1.25未満 | ±0.050 |
1.25以上 1.60以下 | ±0.060 |
▼表3、バネ用ステンレス鋼帯の性質
種類の記号 | 調質記号 | 硬度(Hv) | 引張強さ(N/㎜2) | 伸び(%) |
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SUS301CSP | 1/2H | 310以上 | 930以上 | 10%以上 |
3/4H | 370以上 | 1130以上 | 5%以上 | |
H | 430以上 | 1320以上 | - | |
EH | 490以上 | 1570以上 | - | |
SUS304CSP | 1/2H | 250以上 | 780以上 | 6%以上 |
3/4H | 310以上 | 930以上 | 3%以上 | |
H | 370以上 | 1130以上 | - | |
NSS431 DP-2 | - | 340~400 | 1200(参考値) | 9%(参考値) |
SUS420J2 | 0 | 210以下 | - | - |
析出硬化系 | 熱処理後硬さ(Hv) | |||
NSSHT1770 | - | 280以上 | - | 450以上 |
SUS631CSP | 0 | 200以下 | 1030以下 | 345以上 |
1/2H | 350以上 | 1080以上 | 380以上 | |
3/4H | 400以上 | 1180以上 | 450以上 | |
H | 450以上 | 1420以上 | 530以上 |
2)バネ(ばね)冷間圧延鋼帯<SK材と熱処理材(焼き入れリボン鋼)>
鉄系板バネとしてはSUP材となりますが、薄板バネ材としては入手困難な板厚もありますので、弊社ではお客様ご承諾の上、類似材として曲げ成形の多い板バネにはSK材(生材)を使用し、成形後焼き入れ焼き戻しの処理を行い、主に平板の形状カットのみの板バネには焼き入れリボ鋼をよく使用しています。
Sk材とはバネ用炭素鋼帯の一種で、焼入れリボン鋼とはバネ用炭素鋼帯に熱処理(焼入れ焼戻し)を施して製造される焼入鋼帯で、主に薄板バネや、ゼンマイバネ、刃物に使用されています。
詳しくはこちらから
- 1. SK85(旧: SK5)
- 炭素工具鋼という材料でSUP材の代用として使用されます。熱処理をすることに硬化させることができます。
- 2. SUP
- バネ鋼鋼材で、t3.0以上の材料しか取り扱いがなく、t3.0未満はSK材で代用します。
▼表3、バネ(ばね)用冷間圧延鋼帯の標準板厚表
(メーカーの自主基準であり、流通で一般入手できない板厚もあります)
磨き焼き入れリボン鋼の標準板厚 | |
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材質 | ばね用冷間圧延鋼帯(SK材)を焼き入れしたもの |
板厚mm | 0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.13、0.15、0.18、0.20、0.23、0.25、0.28、0.30、0.33、0.35、0.40、0.45、0.50、0.60、0.70、0.80、0.90、1.00、1.20、1.40、1.50、1.6、2.0、2.5、3.0 |
▼表4、JIS G 3311バネ(ばね)用冷間圧延鋼帯板厚寸法公差表
SK4,SK5 | ||
---|---|---|
板厚mm | 材料幅200mm以上 | 材料幅200mm以上500mm未満 |
0.10未満 | ±0.012 | - |
0.10以上 0.15未満 | ±0.015 | - |
0.15以上 0.25未満 | ±0.020 | ±0.025 |
0.25以上 0.40未満 | ±0.025 | ±0.035 |
0.40以上 0.60未満 | ±0.035 | ±0.040 |
0.60以上 0.90未満 | ±0.045 | ±0.055 |
0.90以上 1.20未満 | ±0.055 | ±0.070 |
1.20以上 1.60未満 | ±0.070 | ±0.080 |
1.60以上 2.10未満 | ±0.075 | ±0.090 |
2.10以上 3.00未満 | ±0.080 | ±0.090 |
▼表5、バネ(ばね)用冷間圧延鋼帯の調質と硬さ(HV)
種類の記号 | 焼きなましをしたもの | 冷間圧延をしたもの | 焼き入れ焼き戻しをしたもの |
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SK5 | 190以下 | 230~270 | 350~500 |
SK4 | 200以下 | 230~270 | 400~600 |
3)銅・銅合金・銅合金バネ材
- 1.りん青銅・バネ用リン青銅板(C5191P・C5210P等)
- 市場の通電性重視の製品にはC5191がよく利用されていますが、バネ性を要する接点・端子・板バネ製等にはC5210が利用されています。
- 2.ベリリウム銅板(C1720P等)
- リン青銅バネ材より高性能なバネ特性を必要とする場合C1720P(バネ用ベリリウム銅)がよく利用されています。用途としては、携帯電話部品を始め、ブラシ、コネクタ、接点、電気機器用薄板バネ部品などによく用いられます。
- 3.洋白(C7521,C7701)
- 洋白(C7521)は耐食性に富みシールドケースなどに利用され、優れた強度とバネ特性(C7701)から電気機器材料として用いられています。また銀白色の美しさから装飾用等にも広く用いられています。 詳しくはこちらから
▼表6―1.2.3.4、銅・銅合金・銅合金板バネ標準板厚表
(メーカーの自主基準であり、流通で一般入手できない板厚もあります。)
バネ用ベリリウム銅,リン青銅、及び洋白の標準板厚 | |
---|---|
材質 | C1720、C1700、C7701,C7521,C5210,C5191 |
板厚 mm | 0.1、 0.15、 0.2、 0.25、 0.3、0.35、 0.4、 0.45、 0.5、 0.6、 0.7、 0.8、1.0、 1.2、 1.4、 1.5、 1.6、 1.8、 2.0 |
真鍮 | |
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材質 | C2801 |
板厚 mm | 0.1、0.2、0.25、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、1、1.2、1.4、1.5、1.6、2、2.3、2.5、2.6、3、3.2、3.5、4、5、6、8、10 |
タフピッチ銅 | |
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材質 | C1100 |
板厚 mm | 0.1、 0.15、 0.2、 0.25、 0.3、0.4、 0.45、 0.5、 0.6、 0.7、 0.8、1.0、 1.2、 1.4、 1.5、 1.6、 1.8、 2.0 |
無酸素銅 | |
---|---|
材質 | C1020 |
板厚mm | 0.3、 0.4、 0.5、 0.6、 0.8、1.0、 1.2、1.5、 1.6、2.0 |
▼表7 ばね用ベリリウム銅,リン青銅、及び洋白の板厚寸法公差表
板厚mm | 材料幅200以下 C1700,C1720 |
材料幅400以下 C5210,C7701 |
---|---|---|
0.05以上 0.08以下 | ±0.005 | |
0.08を越え 0.15以下 | ±0.008 | |
0.15を越え 0.25以下 | ±0.013 | |
0.25を越え 0.4以下 | ±0.018 | |
0.4を越え 0.55以下 | ±0.020 | |
0.55を越え 0.7以下 | ±0.025 | |
0.7を越え 0.9以下 | ±0.030 | |
0.9を越え 1.2以下 | ±0.035 | |
1.2を越え 1.5以下 | ±0.045 | |
1.5を越え 2以下 | ±0.050 |
▼表8、ばね用ベリリウム銅,リン青銅、及び洋白の性質
種類の記号 | 調質記号 | 硬度(Hv) | 引張強さ (N/㎜2) |
伸び(%) |
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C5191(りん青銅2種) | 1/2H | 150~205 | 490~610 | 20%以上 |
H | 180~230 | 590以上 | 8%以上 | |
C5210(バネ用りん青銅) | 1/2H | 140~205 | 470~610 | 27%以上 |
H | 185~235 | 590以上 | 20%以上 | |
C7521(洋白2種) | 1/2H | 120~180 | 440~570 | 5%以上 |
H | 150~210 | 540~640 | 3%以上 | |
C7701(バネ用洋白) |
1/2H | 150~210 | 540~655 | 8%以上 |
H | 180~240 | 630~735 | 4%以上 | |
C1700(ベリリューム銅) 時効効果処理後 |
1/4H | 330~410 | 1100以上 | 2%以上 |
H | 360~430 | 1230以上 | - | |
C1720(ベリリューム銅) 時効効果処理後 |
1/2H | 345~430 | 1180以上 | 2%以上 |
H | 380~450 | 1270以上 | - |
※技術情報に、実際に材料を使用したサンプルが各種掲載されていますのでご覧ください。