ベーナイト鋼は、熱処理によって優れた機械的性質を持つ材料ですが、その特性ゆえに、加工方法には注意が必要です。
特にレーザーカットのような熱が加わる切断方法を用いると、熱による影響で材料が脆くなり、使用中に割れが生じる
可能性があります。
「こだま」では、このリスクを避けるために、ワイヤーカットのような熱の影響が少ない切断方法を推奨しています。
ワイヤーカットは、放電加工による切断方法で、熱による影響を最小限に抑えることができ、ベーナイト鋼の優れた
特性を損なうことなく加工できます。
事例は板材から形状に切り出した後の曲げ加工を、金型レスで成形しています。金型レス成形は、特に少量生産や
カスタマイズされた製品の製造において、その柔軟性とコスト効率の高さから非常に有効な方法です。ベーナイト鋼の
ような特性を持つ材料でも、適切な加工方法を選択することで、その特性を活かしつつ効率的な製造が可能となります。
ベーナイト鋼は、需要家毎の要求に応じた硬さに熱処理を施していることから、打抜きや成形加工だけで部品やバネ製品を製造することができます。
成形加工後の所望の硬さを得ることを目的とした熱処理(焼入焼戻やオーステンバー)が省略できることから、熱処理変形に伴う手直し工程の
省略及び歩留向上につながり、生産コストの低減に寄与します。
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ステンレス系の薄板・板金パーツや、ステンレス系板バネにはSUS304-CSPが最もよく利用されていますが、板バネにはバネ特性の低い順に1/2H,3/4H,Hと一般的には、3段階で、用途に応じて使用されています。
シムに使用する材料としてもSUS304-CSPが一般的で、2B材に対し材料費はある程度高くなりますが、板厚精度が高いことから、ご指定の無い場合弊社ではCSP材を使用しています。
また、SUS304 CSPよりさらに高いバネ特を要する板バネには、SUS301 CSPを使用しています。
SUS301もSUS304と同じくバネ特性は一般的に3段階で用途に応じて利用されています。
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鉄系板バネとしてはSUP材となりますが、薄板バネ材としては入手困難な板厚もありますので、弊社ではお客様ご承諾の上、類似材として曲げ成形の多い板バネにはSK材(生材)を使用し、成形後焼き入れ焼き戻しの処理を行い、主に平板の形状カットのみの板バネには焼き入れリボ鋼をよく使用しています。
Sk材とはバネ用炭素鋼帯の一種で、焼入れリボン鋼とはバネ用炭素鋼帯に熱処理(焼入れ焼戻し)を施して製造される焼入鋼帯で、主に薄板バネや、ゼンマイバネ、刃物に使用されています。
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