薄板・微細・精密金属加工の有限会社こだま製作所

精密板金加工や試作・量産については、こだま製作所にご依頼ください。

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「板バネ(板ばね)の種類」

薄板・微細・精密金属加工のこだま製作所の「事例紹介」です

板バネ製作事例写真
材質・形状など様々な用途の板バネの一覧写真

こだま製作所の板バネ製作の特徴

    1. 金型レスで、製作1個から初期コンセプト段階からの相談

      板バネのアイデア(イメージ図)を問い合わせフォームよりお送りください。取り扱いのある材質からイメージ図通り、もしくは近い板厚や材質をご提案します。(*設計は行なっておりません。詳しくはこちらから)

    2. 材料選択

      広範囲にわたる取り扱い材料から、さまざまな薄板金属を選択できます。材料オプションに関する詳細は、取扱材料ページをご覧ください。

    3. 独自の板バネ製作方法

      製作要件に応じて、金型レスや簡易金型などにより、1個から約2000個単位までの生産が可能な様々な製造技術を提供しています。金型レスの製作技術についてはこちらから。

    4. 板バネの精密溶接加工

      創業以来からのスポット溶接技術で、複合的な板バネにもご対応します。

    5. 材料分析

      板バネの現物が手元にあり、板バネの材質がわからない場合は材料分析を行い類似の材質をすることも可能です。

    6. 秘密保持

      設計、開発を秘密保持契約を通じて保護することに尽力しています。また、工場見学、立ち会い加工もお断りしておりますので、関係者以外が社内に立ち入ることもありません。

各種板バネの製作事例(ページ下部にあります)は、こちらから
各種板バネの材質は、こちらから
※失敗しない、板バネの設計(作り方)については、こちらから

板バネとは

一般的に「バネ」と呼ばれているものには、コイルバネと板バネがあります。板バネとは、バネ特性を有した板材、もしくは、その板材に必要な形状に成形を行ったものがあります。板バネは、コイルバネと違い、押す・引く作用で使用されるだけでなく、形状に伴いさまざまな使用方法があります。バネ特性の強弱もさまざまで、その材質は、ページ下方に詳細を記述していますが、鉄系・ステンレス系・銅系が主流で、これらの材質の選定にあたっては、それぞれの製品の用途・機能・経済性などから決められます。また、バネ特性は低いですが、使用環境によってはチタン・インコネルの合金が使用されています。板バネの製作としては、板材からの寸法切り出し、必要に応じて切り出し、曲げ成形を行いますが、製作工法としては、切り出し:シャーリング加工・レーザー加工・ワイヤーカット加工・エッチング加工・プレス加工と製品精度・材質・製作数によって選定を行います。曲げ成形としては、製作数に合わせて、ブレーキプレス加工・プレス加工・マルチフォーミングの中から選定を行います。

板バネの種類

板バネは、人々の暮らしに小さいながらも重要な役割を果たしていますが、その使用範囲は広く、産業機器、自動車、航空機、宇宙衛星、医療機器、建築金物、玩具、AV機器、PC等広範囲に使用されています。その種類は様々ですが、主に材質・板厚・形状の3つの要素から成り立っています。ここでは、板バネの形状板厚の材質・板厚・特性に分けてご説明します。
また、参考までに、板バネの設計板バネの溶接についても触れています。

板バネの形状

板バネの形状は、対象物へテンション(押える)をかける為の形状、パイプなどを固定する形状、対象物の脱着を行為の、
爪形の形状など、用途に合わせて材質・板厚とともにさまざまです。また、板バネは、対象物に対して、材料強度(曲げ加工時に生じる折れ)の限界までは、自由な材質・サイズ・形状に製作することが可能です。
ここでは、形状をざっくり3種類に分けてご紹介をします。

押え板バネ

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ステンレス 押え板バネ1
取付穴で固定を行い、片側で押える形状
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ステンレス 押え板バネ2
取付穴で固定を行い二方で押える形状
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ステンレス 押え板バネ3
取付穴で固定を行い、片側で押える形状
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ステンレス 押え板バネ4
取付穴で固定を行い、片側で押える形状
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ステンレス 押え板バネ5
両側の取付穴で工程を行い腹部で押える形状
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ステンレス 押え板バネ6
両側の取付穴で工程を行い腹部で押える形状
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ステンレス 微細押え板バネ7
二つの足で、押える形状
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ステンレス 押え板バネ8
二つの足で、押える形状
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SK(鉄系) 押え板バネ9
取付穴で固定を行い、片側で押える形状
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ステンレス 押え板バネ10
ブラシ状の足で押える形状
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りん青銅 押え板バネ11
取付穴で固定を行い二方で押える形状
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りん青銅(金メッキ)押え板バネ12
取付穴で固定を行い、片側で押える形状
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リボン鋼(鉄系) 押え板バネ13
両側の取付穴で工程を行い腹部で押える形状
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リボン鋼(鉄系) 押え板バネ14
両側の取付穴で工程を行い腹部で押える形状
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ハステロイ 押え板バネ15
取付穴で固定を行い、片側で押える形状
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ハステロイ 押え板バネ16
取付穴で固定を行い、片側で押える形状

固定用板バネ

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ステンレス 固定用板バネ1
クリップホルダー形
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ステンレス 固定用板バネ2
カール形
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ステンレス 固定板バネ3
クリップ形
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ステンレス 固定板バネ4
カール形
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ステンレス 固定用板バネ5
挟み込み形
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ステンレス 固定用板バネ6
カール形
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ステンレス 固定用板バネ7
挟み込み形
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ステンレス 固定用板バネ8
挟み込み形
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ステンレス 固定用板バネ9
先端差し込み形
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ステンレス 固定用板バネ10
挟み込み形

爪形板バネ

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ステンレス 固定用板バネ1
脱着可能なストッパー形
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ステンレス 固定用板バネ2
抱え込み形
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ステンレス 固定用板バネ3
脱着可能なストッパー形
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ステンレス 固定用板バネ4
脱着可能なストッパー形
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ステンレス 固定用板バネ5
脱着可能なストッパー形
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ステンレス 固定用板バネ6
脱着可能なストッパー形
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ステンレス 固定用板バネ7
脱着可能なストッパー形
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ステンレス 固定用板バネ8
脱着可能なストッパー形

その他の板バネの形状は、こちら(ページ下部にあります)のページでご確認できます。

板バネの設計について

板バネは、机上で設計できればいいのですが、(コイルばねなら、机上設計が可能なのですが)計算式に基づいて設計を行っても、固定する箇所、負荷方向などでバネ特性が変化して、誤差が大きく出てしまいます。また、板厚によっての応力の違いや、段付き部分を設けたり、切り欠き部分や穴があると、その個所に応力集中することなどから、設計上の計算で算出を行っても誤差が生じます。これらの要因から、板バネの製作までの近道は、試作をおこなうことです。「こだま」では、さまざまな板金部品の試作品製作を行ってきた経緯から、金型レス・簡易金型技術を構築し、板バネにおける試作品を短納期・高品質でご提供しています。

板バネが必要になった場合、形状のイメージは、意外と出てくるものですので、当サイトの製作事例を参考にしていただき図面化を行って、サイズの追記を行いお問合せフォームから送付ください。その作図を基に、専門的知識で方向付けを行って試作品の製作を行い、実際にテスト確認を行っていただきます。

※図面がない場合のお問い合わせ方法については、こちらから
失敗しない、板バネの設計(作り方)について、はこちらから

板バネの試作

「こだま」では、板バネの試作・少量製作(2000個まで)において、金型レス・簡易金型で対応していますので、製作における、金型費の軽減(ゼロ円~金型費の1/10)、短納期のご提供を行っています。金型レス・簡易金型製作は、試作確認後の板厚・材質・形状変更等が、容易に行うことが出来ます。

※各種板バネの製作事例は、こちらから
(形状の検討時に、参考になります)

では、試作に至るまでを、手順に沿ってご説明します。

板バネ試作の進め方

イメージの見える化

仕様にあたって板バネが適してるのか?という検討段階、または、板バネが必要になった場合、だいたいイメージは出来ているものです。ただ、専門的な知識がないために進め方が分からない、というのがこの段階です。ご安心ください、順序をへて最短に結論に近づきます。

まずは、イメージの見える化を行って(図面化:想像できる範囲の情報:形状・寸法・材質・ご希望製作数)、お問合せフォームで送信ください。
※図面化には作業負荷がかかりますが、イメージを具体化することで、具体的な対応が可能になります。

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方向性の具体化

検討段階の場合は、こちらで仕様を確認し、板バネが適しているのかをアドバイスいたします。
板バネを使用する可能性が高い場合には、形状・材質・板厚の方向付けを行います。

お見積り

方向付けが終われば、お見積りいたします。
予算範囲であれば、ご注文下さい。(ご依頼方法は、お見積り時にご連絡します)

試作

金型レス・簡易金型製作で、本作金型の約1/10の費用、納期1/3で、板バネ1個から製作することが可能です。
結果、1から4までのプロセスだけで、試作品による実装テストが行えます。ただ、1度の試作でご要望に沿うこともあれば、何回か形状・板厚変更が必要な場合もありますが、2から4のプロセスで行えますので、結果、短期間で板バネの具体化が行えます。
1のイメージの見える化の段階では、下記に板バネに関する資料をご用意していますので、参考にしていただければ、具体的になりやすいかと思います。

板バネの材質と特性

板バネの材質には、ステンレス系、鉄系、銅系の三種類がありますが、使用環境によってチタン、インコネルを使用することがあります。ここでは、主となるステンレス系、鉄系、銅系の、材質・板厚・特性を、中心にご紹介します。

炭素工具鋼および焼入れリボン鋼

鉄系バネ材として、SUP材相当品として、近年使用されている材質です。バネ特性は特に高く、材料費も安価ですが、曲げ成形が必要な形状では、生材からの成形となり、成形後熱処理を行いますので、大量生産の製作方法でないと、形状精度が悪くなります。また、鉄系ですので、表面処理をしないと錆びてしまいます。板バネには、SK85(SK5)が主流に使用されています。最近では、

SK5の異方性及び軟化抵抗改善鋼として、NKS80が市場に出ています。

用途:各種産業機器用板バネ・ワッシャー、クラッチ部品、ぜんまい、のこ刃、座金等

べーナイト鋼

一般的にみがき特殊帯鋼材に、熱処理(オーステンパ処理)を行って、べーナイト組織にしたもので、硬くて、機械的性質の高い材質ですが、板バネの成形においては、リボン鋼と同じ製法になります。

恒温変態処理によって高強度と同時に加工性の優れた曲げ加工、軽度の絞り加工が可能です。

JIS鋼種では、S55C-CSPB、S60C-CSPB、SK5-CSPB etcとなります。

用途:各種産業機器用板バネ、クラッチ部品等

ステンレス系バネ材

錆びに強いということで、広く使用されている材質です。バネ特性は、リボン鋼よりは低いですが、用途においては十分な反発力、復元性を持っています。曲げ加工においても、バネ材そのものを成形することができるので、特にt0.2以下では、少量製作でも精度の高い板バネを製作することが可能です。

用途:各種精密板バネ、シム板、各種産業機器・建築・民生機器部品等

銅系バネ材

通電性重視の、接点などに広く使用されています。薄くて小さな板バネから、微細加工まで加工性に優れた材質で、電子部品・弱電部品・電機部品には欠かせない材質です。リン青銅が広く使用されていますが、バネ特性はステンレス系に比べて低いですが、板金加工における曲げ・絞り加工性がよく、電気・熱の電導性に優れ、耐摩耗性も高い材料です。また、はんだ付けやメッキしやすい材料です。短所としては、表面酸化が生じやすいため、メッキ処理を行う必要があり、メッキ工程を省くために、耐食性に優れた洋白を使用する場合があります。通電性・バネ特性を求める板バネ・接点等では、析出硬化処理で高いバネ特性が得られるベリリウム銅が使用されています。ただしベリリウム銅はベリリウムが含有されていることから、徐々に使用されることが少なくなってきています。

材質 使用用途
真鍮 電池バネ・各種端子・ハーネス端子
リン青銅 各種接点、コネクター
洋白 医療機器・眼鏡部品
ベリリュム銅 リードフレーム、電子部品用コネクター、ソケット、リレー

チタンバネ材

強い耐食性を求められる環境で、使用される材質ですが、熱処理によって硬度を上げることができますが、バネ特性は低く板厚での補足が必要です。
用途:化学工業・電力・航空機産業・医療器具・宇宙開発設備等

インコネル板バネ材

高温下の環境で、使用される材質ですが、熱処理によって硬度を上げることができますがバネ特性は低いです。

用途:航空機・発電用のガスタービンやバネ

板バネ用材料の板厚と硬度

バネ(ばね)用ステンレス鋼帯(SUS-CSP)

ステンレス系の薄板・板金パーツや、ステンレス系板バネにはSUS304-CSPが最もよく利用されていますが、板バネにはバネ特性の低い順に1/2H,3/4H,Hと一般的には、3段階で、用途に応じて使用されています。

シムに使用する材料としてもSUS304-CSPが一般的で、2B材に対し材料費はある程度高くなりますが、板厚精度が高いことから、ご指定の無い場合弊社ではCSP材を使用しています。
また、SUS304 CSPよりさらに高いバネ特を要する板バネには、SUS301 CSPを使用しています。
SUS301もSUS304と同じくバネ特性は一般的に3段階で用途に応じて利用されています。

▼表1 SUSバネ材標準板厚表(メーカーの自主基準であり、流通で一般入手できない板厚もあります)

SUSバネ材の標準板厚(JIS G 4313)
材質
SUS301-CSP・SUS304-CSP・SUS420J2-CSP・SUS631-CSP・SUS631J1-CSP
板厚 mm
0.10、0.12、0.15、0.20、0.25、0.28、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.6、・0.70、0.80、0.90、1.00、1.20、1.40、1.50

▼表2 JIS G 4313 バネ用ステンレス鋼帯の板厚寸法公差表

SUSバネ材板厚公差(JIS G 4313の厚さの許容差)単位mm
SUS301-CSP・SUS304-CSP・SUS420J2-CSP・SUS631-CSP・SUS631J1-CSP
板厚 mm
材料幅(250以上600未満)
0.10以上 0.16未満
±0.020
0.16以上 0.25未満
±0.030
0.25以上 0.40未満
±0.035
0.40以上 0.60未満
±0.040
0.60以上 0.80未満
±0.045
0.80以上 1.00未満
±0.050
1.00以上 1.25未満
±0​.060

▼表3 バネ用ステンレス鋼帯の性質

種類の記号 調質記号 硬度(Hv) 引張強さ(N/㎜2) 伸び(%)
SUS301CSP 1/2H 310以上 930以上 10%以上
3/4H 370以上 1130以上 5%以上
H 430以上 1320以上
EH 490以上 1570以上
SUS304CSP 1/2H 250以上 780以上 6%以上
3/4H 310以上 930以上 3%以上
H 370以上 1130以上
NSS431 DP-2 340~400 1200(参考値) 9%(参考値)
SUS420J2 0 210以下
析出硬化系 熱処理後硬さ(Hv)
NSSHT1770 280以上 450以上
SUS631CSP 0 200以下 1030以下 345以上
1/2H 350以上 1080以上 380以上
3/4H 400以上 1180以上 450以上
H 450以上 1420以上 530以上

バネ(ばね)冷間圧延鋼帯<SK材と熱処理材(焼き入れリボン鋼)>

鉄系板バネとしてはSUP材となりますが、薄板バネ材としては入手困難な板厚もありますので、弊社ではお客様ご承諾の上、類似材として曲げ成形の多い板バネにはSK材(生材)を使用し、成形後焼き入れ焼き戻しの処理を行い、主に平板の形状カットのみの板バネには焼き入れリボ鋼をよく使用しています。

Sk材とはバネ用炭素鋼帯の一種で、焼入れリボン鋼とはバネ用炭素鋼帯に熱処理(焼入れ焼戻し)を施して製造される焼入鋼帯で、主に薄板バネや、ゼンマイバネ、刃物に使用されています。

▼表4 バネ(ばね)用冷間圧延鋼帯の標準板厚表

(メーカーの自主基準であり、流通で一般入手できない板厚もあります)

磨き焼入れリボン鋼の標準板厚

材質

ばね用冷間圧延鋼帯(SK材)を焼き入れしたもの

板厚mm

0.10、0.13、0.15、0.18、0.20、0.23、0.25、0.28、0.30、0.33、0.35、0.40、0.45、0.50、0.6、0.70、0.80、0.90、1.00、1.20、1.40、1.50、1.60、2.00、2.50、3.00

▼表5 JIS G 3311バネ(ばね)用冷間圧延鋼帯板厚寸法公差表

SK4,SK5
板厚mm 材料幅200mm以上 材料幅200mm以上500mm未満
0.10未満 ±0.012 -
0.10以上 0.15未満 ±0.015 -
0.15以上 0.25未満 ±0.020 ±0.025
0.25以上 0.40未満 ±0.025 ±0.035
0.40以上 0.60未満 ±0.035 ±0.040
0.60以上 0.90未満 ±0.045 ±0.055
0.90以上 1.20未満 ±0.055 ±0.070
1.20以上 1.60未満 ±0.070 ±0.080
1.60以上 2.10未満 ±0.075 ±0.090

▼表6 バネ(ばね)用冷間圧延鋼帯の調質と硬さ(HV)

種類の記号 焼きなましをしたもの 冷間圧延をしたもの 焼き入れ焼き戻しをしたもの
SK5-CSP 190以下 230~270 350~500
SK4-CSP 200以下 230~270 400~600

銅・銅合金・銅合金バネ材

りん青銅・バネ用リン青銅板(C5191P・C5210P等)

市場の通電性重視の製品にはC5191がよく利用されていますが、バネ性を要する接点・端子・板バネ製等にはC5210が利用されています。

ベリリウム銅板(C1720P等)

リン青銅バネ材より高性能なバネ特性を必要とする場合C1720P(バネ用ベリリウム銅)がよく利用されています。また、用途としては、携帯電話部品を始め、ブラシ、コネクタ、接点、電気機器用薄板バネ部品などによく用いられます。種類により、銅と比較して20~60%もの電導性をもっています。

洋白(C7521,C7701) 

洋白(C7521)は耐食性に富みシールドケースなどに利用され、優れた強度とバネ特性(C7701)から電気機器材料として用いられています。また銀白色の美しさから装飾用等にも広く用いられています。

▼表7 銅・銅合金・銅合金板バネ標準板厚表

バネ用ベリリウム銅,リン青銅、及び洋白の標準板厚
材質 C1720、C1700、C7701,C7521,C5210,C5191
板厚 mm 0.1、 0.15、 0.2、 0.25、 0.3、0.35、 0.4、 0.45、 0.5、 0.6、 0.7、 0.8、1.0、 1.2、 1.4、 1.5、 1.6、 1.8、 2.0
真鍮の板厚
材質 C2801
板厚 mm 0.1、0.2、0.25、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、1、1.2、1.4、1.5、1.6、2、2.3、2.5、2.6、3、3.2、3.5、4、5、6、8、10
タフピッチの板厚
材質 C1100
板厚 mm 0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.4、0.45、0.5、0.6、0.7、0.8、1.0、1.2、1.4、1.5、1.6、1.8、2.0
無酸素銅の板厚
材質 C1020
板厚 mm 0.3、0.4、0.5、0.6、0.8、1.0、1.2、1.5、1.6、2.0

(メーカーの自主基準であり、流通で一般入手できない板厚もあります。)

▼表8 ばね用ベリリウム銅,リン青銅、及び洋白の板厚寸法公差表

板厚 mm 材料幅200以下
C1700,C1720
材料幅400以下
C5210,C7701
0.05以上 0.08以下 ±0.005
0.08を越え 0.15以下 ±0.008
0.15を越え 0.25以下 ±0.013
0.25を越え 0.4以下 ±0.018
0.4を越え 0.55以下 ±0.020
0.55を越え 0.7以下 ±0.025
0.7を越え 0.9以下 ±0.030
0.9を越え 1.2以下 ±0.035
1.2を越え 1.5以下 ±0.045
1.5を越え 2以下 ±0.050

▼表9 ばね用ベリリウム銅,リン青銅、及び洋白の性質

種類の記号 調質記号 硬度(Hv) 引張強さ(N/㎜²) 伸び(%)
C5191(りん青銅2種) 1/2H 150~205 490~610 20%以上
H 180~230 590以上 8%以上
C5210(バネ用りん青銅) 1/2H 140~205 470~610 27%以上
H 185~235 590以上 20%以上
C7521(洋白2種) 1/2H 120~180 440~570 5%以上
H 150~210 540~640 3%以上
C7701(バネ用洋白) 1/2H 150~210 540~655 8%以上
H 180~240 630~735 4%以上
C1700(ベリリューム銅)
時効効果処理後
1/4H 330~410 1100以上 2%以上
H 360~430 1230以上 -
C1720(ベリリューム銅)
時効効果処理後
1/2H 345~430 1180以上 2%以上
H 380~450 1270以上 -

JISで使用されている板バネ材の識別

記号 定義 用途
O (ゼロ) 焼きなましを行ったもので、冷間加工性がゼロのもので、深い絞り加工や冷間鍛造を適しているが、引っ張り強さの値が最も低い ダイヤフラム、ベロー等
1/8H 引っ張り強さがOと1/4Hの中間として、加工硬化したもの
1/4H 引っ張り強さが1/8Hと1/2Hの中間として、加工硬化したもので絞り加工に適している ヒューズクリップ等
1/2H 引っ張り強さが1/4Hと3/4Hの中間として、加工硬化したもの。打ち抜き性がよく曲げ加工が必要で、ある程度材料強度が必要なもの適している ヒューズクリップ、リードフレーム、コネクター、リード端子等
3/4H 引っ張り強さが1/2HとHの中間として、加工硬化したもの H材では、曲げ加工困難な場合に使用
H 引っ張り強さが3/4HとEHの中間として、加工硬化したもの ヒューズクリップ、リードフレーム、コネクター、リード端子、スイッチ
EH 引っ張り強さがHとSHの中間として、加工硬化したもの スイッチ、リレー、皿バネ、ブレード等
SH 引っ張り強さが最大になるように熱処理を行ったもの リレー等

※ H:ハードの略、EH:エクストラハードの略、SH:スーパーハードの略

耐熱性のあるバネ材について

市場には耐熱バネとしての規格はなく、耐熱温度は実験データをもとにした温度を示すもので、あくまでも目安となります。また使用する状態にも左右され、動的使用・静的使用もしくは、使用環境が酸性かアルカリ性かなどの腐食環境も耐熱性に影響を与えます。

耐熱性のあるバネ材の種類

合金工具鋼

合金工具鋼のうち、熱間金型などに大量に使用される SKD 系熱間金型用鋼は高温強度が高くバネ用材料としても使用されています。一般的な流通経路では入手できません。SKD、 SKH 系工具鋼は、500〜550°C の焼戻しにより析出硬化がえられ、比較的高温環境でも使用されていますが、板バネ材としては流通していませんので入手困難ですのでご参考に。

Fe基超合金

高温における酸化および腐食が少ない。これら に高温強度を付与したのが Fe基超合金で、耐熱材料としては、マルテンサイト系耐熱鋼と、Ni/Co基超合金の中間に値します。

Ni基超合金

インコネル718は、Ni基超合金の中では最も使用範囲の多い合金です。用途としては、航空機部品および発電用のガスタービン等に使用されているほか、, ファス ナーやバネとして使用されています。 インコネル750 は インコネル600 に AI、 Ti および Nb を添加した材料で、Ni 含有量が多いため比較的高温まで材料特性は安定していて、発電用ガス タービンや、ボルトやバネなどに広く使用されています。

市場にある材料 使用温度(℃)
硬鋼線・ピアノ線 150
オイルテンパー線 250
ステンレス鋼線 SUS304-WPB 300
ステンレス鋼線 SUS631J1-WPC 350
インコネル600 350
インコネルX-718 650
インコネルX-750 650

板バネ材の識別は、材料では識別しにくいため、サンプルでご紹介します。

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リボン鋼板バネ材
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べーナイト鋼板バネ材
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ステンレス板バネ材
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リン青銅板バネ材(銅系)
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洋白板バネ材(銅系)
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ベリリュム銅板バネ材(銅系)
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チタン板バネ材
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インコネル板バネ材

板バネの溶接について

必要に応じて板バネを、他の部品に接合しなくてはならないケースがあります。接合方法としては、カシメ加工と溶接加工がありますが、バネ材は、溶接による熱によって鈍ってしまいますので、過度な加熱は避けなければなりません。
通常は、他の部品とのカシメ加工が適切ですが、接地面が小さすぎたり、カシメ部分の緩みの懸念などがある場合には、最小限の加熱(溶接による)強度確保が行える、抵抗溶接(スポット溶接プロジェクション溶接)、アークスポット溶接が適しています。また、さらに微細部分の溶接では、レーザー溶接が適切です。

加工事例

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SUS304 板バネ t0.5と、t5.0のプロジェクション溶接
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SUS304 板バネ t0.8と、t1.2のアークスポット溶接・スポット溶接
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C5201 t0.2と、C1720 t0.1のマイクロスポット溶接
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SUS304 板バネ t0.3と、t0.5のスポット溶接
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SUS304 板バネ t0.4と、t0.6のスポット溶接
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SUS304 板バネ t0.3と、t0.4のスポット溶接 ➡ 金メッキ処理
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SUS304 板バネ t0.7と、t0.5のスポット溶接
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SUS304 板バネ t0.35と、t3.0のスポット溶接
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SUS304 板バネ t1.0と、t0.5のスポット溶接
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SUS304 板バネ t0.4と、t0.4のアークスポット溶接

焼入れリボン鋼のスポット溶接

困難とされる、リボン鋼のスポット溶接にも対応します。
※溶接強度は最大限の確保を行いますが、必要強度については確認が必要です。


溶接動画
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スポット溶接後
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強度確認

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板バネ材の物理的・機械的性質について

バネ材料の弾性係数

ばねに使用する材料は、弾性が必要でこの弾性の大小を表すのに弾性係数という値を用いています。弾性係数 = 応力/ひずみとして算出を行います。この値は作用した力に対して単位面積当たりの抵抗力を考え、この抵抗力に対し、歪として力の作用した方向への単位長さ当たりの変形をとって、この両者の比を表します。一般には単位面積として1平方ミリメートル (1 mm2) 当たりの抵抗力を o (シグマ)という記号で表し,単位長さ当たりの伸びた割合をE(イプシロン)と表すと、弾性係数を E という記号 で示したとき E =σ /e となります。

ここで、σと示した単位断面積当たりの抵抗力を応力とよんでい ます。応力の単位として作用する力を N(ニュートン) で示しN/mm2 となりますが、このニュートンという力の単位として、キログラムの力(kgf) を用いて、応力の単位 kgf/mm2 としています。

各種バネ材の弾性係数

材料名 弾性係数 E
バネ鋼 21 × 10³ kgf / min
硬鋼線 21 × 10³ kgf / min
ピアノ線 21 × 10³ kgf / min
オイルテンパー線 21 × 10³ kgf / min
ステンレス鋼 19.5 × 10³ kgf / min
黄銅 10 × 10³ kgf / min
洋白 11 × 10³ kgf / min
りん青銅 10 × 10³ kgf / min
ベリリュム銅 13 × 10³ kgf / min

非鉄金属材料

最近ではバネ特性の高さを重視したステンレス鋼が広く使用されていますが、非鉄合金のバネ材料として広く使用されているのは銅合金がです。 銅合金は電気の導電性がよいことと、耐食性があること、又は非磁性であることなどの理由から、バネ特性・通電性を目的とした接点として、電気機器、精密機器などに使用されています。銅合金バネ材料としては、ページ上記にも掲載しているものが規格化されています。 銅と亜鉛との合金である真鍮は、バネ用として銅と亜鉛の配合割合が7::3のものから6:4程度のものを規格(JIS H 3100)化しています。 これらの材料は、バネとして使用するため冷間加工によって強さを増大させていますが、鋼に比べて機械的性質が弱いため、バネとし て応力を大きくとることができません。また、弾性係数の値が鋼より小さく、同じ形状のバネではバネ定数を小さくすることができるので、用途に合わせて使用されています。りん青銅は主成分が銅と錫との合金で、りんはわずかしか入っていません。しかし、りんを入れることによって、バネとして必要な引張強さが増加するもので、りん青銅の機械的性質は黄銅より優れていて、引張強さが 80 kg/mm2 (784 N/mm2)程度になるものもあります。

その他には洋白がありますが、洋白の成分は銅とニッケルと亜鉛の合金で銀白色をしています。導電性はほかの銅合金より低いのですが、耐食性及び機械的性質はりん青銅と同じ程度です。
ベリリウム銅は導電性が優れているもので。材料成分は銅を主体 とし、ニッケル・コバルトなどのほか、ベリリウムを2%以下含んだ合金です。ベリリウム銅は、通電性が優れていて時効硬化処理を行うことによって機械的性質も向上し、引張強さの最大値を 130 kgf/mm2 (1279 N/mm2) くらいにすることができるので、電気通信機器等で使用されています.。

これからの方向性

ばね用の材料として、引張強さが大きく弾性限度が高いことが要求されますので、炭素鋼でなく、特殊鋼の需要が増加しています。最近では特殊鋼の製鋼技術が発達してきたことによって、材料内部の非金属の介在物が減少して強さが増加していることに加えて、ばねとして使用するときには応力が表面で最大となるので、ばね鋼の表面の脱炭層や表面の微細なきずを少なくしているので、これもまたバネの強さを増加させるのに役立っています。 更に、このばね表面の強さを増加させる目的で、高周波焼入れや、ショットピーニングを行うことによって、強く、消耗劣化を軽減させる材料が使用されています。さらに強さの増大によって懸架バネ等では、バネ単体の重量の軽減を図ることができることから、今後の課題になっています。冷間成形用の線材においても、製鋼並びに圧延技術の進歩に伴い、引張強さの大きな材料が開発されている一方、バネを成形した後に熱処理をしないで製品化が行える、非調質の線材も研究されています.。
薄板バネとして使用されている鋼板についても、線材と同様なことがいえるので、ますます引張強さの増大が期待されます。一方、薄板材料の板厚は薄いものの需要が増加され、ステンレス鋼ではt0.005の材料が市場にあります。

高温環境で使用されている材料には、ニッケルまたはコバルトを含んだ合金が使われていますが、新しい耐熱・耐寒ばね材料も研究されているそうです。また、バネ材として識別はされませんが、使用方法の視点から形状記憶合金が、バネ機能を持たせる目的で使用されています。形状記憶合金は、チタンとニッケルの合金で、変態点は0℃くらいから80℃くらいまでのあいだで調整する事ができ、形状記憶特性と超弾性という二つの特性があり、温めると元の形に戻る性質と、大きく曲げても元の形に戻る性質を利用して、バネの役割を担っています。アモルファスも、薄板バネとして使われる可能性もあります。アモルファスは非結晶質材で、通常、金属は個体の状態では規則正しく原子が並んでいますが、液体の状態になると原子が動きまわり不規則になり、液体から急冷すると原子が整列できず、原子配列が不規則になっている金属をアモルファス金属と言います。一 般の金属のように結晶粒から成り立っていないので、アモルファス金属は規則的な結晶構造ではないため、普通の金属に比べ、強くてしなやか、非常に錆びにくい、磁気特性に優れるなどの大きな特徴があります。現状の製法上シート状での流通に限られているようですが、今後急速に実用化が進むことが期待されています。

金属材料以外のバネに使用される材料は、現状、「こだま」では取り扱っていませんがプラスチックがります。一般のプラスチックは強さが弱いので、強化繊維を含入したプラスチックが使われます。強化繊維としてガラスまたは炭素が用いられ、ガラス繊維を使用した材料をGFRPとよび、炭素繊維を用いたものを CFRPと称しています。これらの材料が使われる部品は現在のところ一部ですので、材料規格というような形にはなっていません。ゴムのような材料もバネとして使われますが、このような種類のものは機械的性質が安定していないので、単に復元性だけがあればよいというところには使われますが、バネ定数を問題にするところでは使用できません。空気バネの容器もゴム膜から成り立っていますが、ゴム膜の内部に繊維材料が埋め込まれたものです。空気の代わりに流体を使用した液体バネという種類のものは、流体の圧縮性を利用したものでですが、一般的には使用されていないようです。

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