電子機器には、少なからず電磁波を発生する部分があり、シールドケースは、その電磁波を外部へ漏らさぬように、また電磁波により誤作動を起こさないようにEMC(電磁環境両立性)を考慮して設計する必要があります。EMC において、必要とされる技術が電磁波シールド・吸収技術 であり、その中でも電磁波シールド技術についてご説明します。
*弊社では、製作のみで設計は行っておりません。
ブリキシールドケース
真鍮シールドケース
ブリキシールドケース
その他シールドケースの製作事例は、こちらから
シールドケースに、溶接代を施しスポット溶接を行うことで、コーナーの隙間がなくなりシールド効果が上がります。
ステンレスシールドケースの
スポット溶接
真鍮シールドケースの
スポット溶接
ブリキシールドケースの
スポット溶接
ノイズをシールドで閉じ込めるときの理論式としてシェルクノフの式があり、シールド効果(SE)を次式のように表わします。
SE=反射損失+吸収損失+内部反射損失
この式にある各項を表すと図のようになり、左側から電波がシールドに当たって、右側に漏れるときのシールドの効果を求めます。シールドにより、右側に漏れる電波は、左側から当たる電波よりもSE(dB)だけ弱くなるとします。
電磁波シールド効果(SE)はシールド材に入射した電磁波と透過電磁波の比で示され、次式で与えられます。
SE=-20log(Eo/Ei) =-10log(Po/Pi)
SE:シールド性能(dB)
Ei:入射電界(V/m)
Eo:透過電界(V/m)
Pi:入射電力 (W)
Po:透過電力 (W)
シールド効果の基準として次の表1のような目安があります。
シールド性能 | 効 果 |
---|---|
10dB以下 | ほとんど効果なし(鉄筋コンクリートの壁と同等) |
10~30dB | 最小限のシールド効果あり |
30~60dB | 平均(携帯電話が圏外になるレベル) |
60~90dB | 平均以上 |
90dB以上 | 最高技術によるシールド(テンペスト) |
電波は電磁波の一種で、電界と磁界が伴って進む波です。電界に対しては銅、アルミニウム、などの導電性の高い方がよく、また磁界に対しては初透磁率が高い材料を選ぶ必要があります。表2にそれぞれ金属の体積抵抗値と透磁率を記載しています。
金 属 | 体積抵抗率 (10-8 Ω・m) | 透 磁 率 |
---|---|---|
銅 | 1.72 | 1 |
銀 | 1.62 | 1 |
金 | 2.4 | 1 |
アルミニウム | 2.75 | 1 |
マグネシウム | 4.5 | 1 |
亜鉛 | 5.9 | 1 |
黄銅 | 5~7 | 1 |
ベリリウム | 6.4 | 1 |
ニッケル | 7.24 | 250 |
鉄(純) | 9.8 | 300 |
鉄(鋼) | 10~20 | 300 |
鉄(鋳) | 57~114 | ― |
鉛 | 21 | 1 |
パーマロイ | 16 | 10000 |
錫 | 11.4 | 1 |
シールドケースの詳細は、こちらから
こだまでは、さまざまなシールドケースの製作を行っています。
「こだま」のシールドケース製作技術は、こちらから
製作1個から
寸法検査
シールドケースの製作事例は、こちらから
こだま製作所では小ロット〜中ロット(2000個程度まで)のシールドケース製作に特化しております。数量や形状に合わせて様々な加工方法を変えてニーズに合わせたシールドケースのオーダー製作にご対応しております。
シールドケース の製作に関するお問い合わせはフォームより(添付ファイルも出来ます)ご連絡ください。
鉄系 | SPCC(鉄)、SPTE(ブリキ)、SK(生・焼き入れリボン鋼) |
ステンレス系 | SUS304:BA、1/2H 3/4H・H・EH |
SUS301:1/2H・3/4H・H・EH | |
SUS316、SUS631、SUS430、SUS410 | |
ニッケル合金 | 78パーマロイ、42アロイ、インコネル、インバー |
銅系 | C1100P(タフピッチ銅) |
C2801(真鍮) | |
C5210P(りん青銅板二種)、C5210(バネ用りん青銅板) | |
C7521(洋白板二種)、C7701(バネ用洋白板) | |
C1700/C1720(バネ用ベリリューム銅) | |
その他 | チタン、チタンバネ、モリブデン |
弊社へのご質問の多い材質、またはご依頼いただく製品の、主流材質の性質を記載していますので参考にしてください。
こだま製作所へのお問い合わせは、下記フォームからどうぞ!
担当者がご回答致します。