薄板・微細・精密金属加工の有限会社こだま製作所

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エルメスの職人達

2012年11月24日

阪急梅田本店のグランドオープンイベントで、エルメスの職人たちが、
スカーフ、バッグ、時計、食器、シャツなどの製作工程のデモンストレーションを行っていました。

エルメス社は1801年馬具工房として創業しましたたが、自動車の普及により馬車の減少を予測し、鞄や財布などの皮革製品に事業を移しました。その後、企業買収を次々に進めて、服飾品、香水、腕時計などの事業展開を行い、それら製品のデザイン、製造、販売を行いましたが、その背景には、職人が活躍する場の提供を目的とされていたようです。その方針が今も受け継がれ永続的発展を遂げています。

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エッチング加工
デザイン画を、各着色プリント版に分けるために、職人の目、手でスキャンされていました。
「単純なデザイン画は、楽だしリスクも低いですが、繊細な絵柄をエッチングする方が燃えてきます」
今、製造業といわれるモノづくりでは、機械化進み、人間の優れた能力を知らないまま自分たちでピリオドを打つ人たちが、あまりにも多いのではないだろうか。自身の潜在能力を引き出し、モノとして形に表れることにより、視覚で捉えて自身の成長を確認することが出来る。そして無限の能力を確信し、「挑戦」することの喜びを感じ取ることが出来ることを、あらためて学んだように思えます。



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シルクプリンティング
スカーフのプリント作業になりますが、製法として、着色数×版となり、一色ごとに前工程のエッチング加工を行なった原版を使用して、25年の熟練工が、高精度に色を重ねていきます。使用された原版は、直ぐに水で洗浄され、その汚水も再利用出来るよう設備され環境配慮も徹底されています。プリントを行う工房は、天井高さ3mのクリーンルームで、室内の温度も染料の、乾く時間が一定になるように管理されているそうです。


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蚕種製造・養蚕・製糸・生地の生産まで一貫して社内で行っているそうですが
目的は、独自開発を行なった結果の高品質だそうです。特に製糸段階での紡いだ糸の太さが重要で企業機密となっています。生地の折り方は綾織で、強くしなやかな生地を糸の太さが醸しだします。



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食器の絵付け作業
絵付けの工程はスカーフと同じように、1色づつ順番に着色がを行われます。
下部の画像ですが、色の横に塗料の焼き付く温度が書かれています。焼き付く温度の高い順に塗っていくのだそうです。使用されているのは塗料や油ですが、ルイ14世の時代から何も変わっていないそうで、当時からのモノづくりとしての完成度の高さを物語っています。


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時計の製作
画像は、懐中時計のデコレーションを行っているところです。
1mm程度の小さな貴金属を懐中時計に取り付けていました。高精度のピンセットで、部品を一定方向に掴み工程作業へと運ぶこのエリアは、弊社(こだま)の作業とよく似ています。「1日何時間ぐらい作業されるのですか?」という、あまりにも繊細な作業に、見学者から質問が出るほどですが、ひとつひとつの作業が職人にはドラマ化されていて自分の世界ができていますので、熟練工ほど夢中になって作業を進めていると思います。なので1日が短く感じていることでしょう。



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カバンの製作
ケリー、バーキンといった有名なバッグはエルメスの代表的な作品ですが、素材加工から縫製まで、すべて手作り。この分野は素人が語る必要もない一流品ですね。


今回、エルメスのデモンストレーションを見て特に印象的だったのが「人の手」「超品質管理」でした。
全ては自然の中に生かされている認識から始まり、人々の暮らしを基準に毎日の働きを「道」として、人格を高めることの、
追求を行い、ユーザーの笑顔を想像するからこそ、製造業に見る品質管理を越えた超品質管理が生まれ、
そして、自然からの贈り物を大切な材料として使わせてもらえる事への感謝の気持ちが自然を大切にする環境意識の高さとなり、
そのサイクルをより高次化している。あらためて、モノづくりとしての理念に問いかける時間をいただきました。





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